リード……それは宇宙。無限の不確定から一本の道を導き出す。野球の道しるべであり、信ずるべき道である。
さてさて、今回はキャッチャーのリードについてお話しましょう。
ネットでいろいろ見ていると「キャッチャーのリードって必要??」などなど、意外に否定的なご意見が見られました。キャッチャーの僕としてはサミシイところです。。。
そもそも、「リードってなに?」
僕は、キャッチャーのリードというのはとても広い意味を持つと思うのです。そこで、便宜的に「狭義のリード」と「広義のリード」という言葉を使って話を続けましょう。
○狭義のリード
いわゆる、キャッチャーがピッチャーに投げるボールを指示する「サイン」を意味します。一般に、これを指してキャッチャーのリードと呼んでいると思われます。
○広義のリード
守備位置の指示、投手との信頼関係、野手との信頼関係など狭義のリードに以外の全ての要素を指します。
さて、リードの考え方をここまで広げれば、狭義のリードいわゆる「サイン」の意味が、とても小さく感じられるのではないでしょうか。。そして、こういう考えだといえます。
狭義のリードは広義のリードの
アウトプットである
わぁ、小難しい。。。
簡単に言いましょう。狭義のリード(サイン)は広義のリード(信頼関係など)から考えて、当たり前に出てきた結論でしかない、ということです。もっと簡単にいえば、「全部考えたらこの球を投げるのが一番いい」と、その球を指示することでしかないということです。
さて、前置きが長くなりましたが、こう考えれば、キャッチャーのリードについて少しは考えやすくなったと思います。と同時に「キャッチャのリードってどうなん??」というギモンも解決しやすくなったのではないかと思います。
ピッチャーVSバッターの分析のみによるリード。この狭義のリードはキャッチャーであれば、誰でも出来るものであるし、そもそもキャッチャーじゃなくてもできる。また、指示した通りにピッチャーが投げてくれるとも限らないし打ち取ったのに、そこに野手がいなければどうしようもない。。このように、狭義のリードは不確定かつ不確実。これに過大な比重を置くのはどうかと思う。
重視すべきは、広義のリードだろう。その中でも、最も大切なのは信頼関係だ。自分のチームに一番詳しくあること、そしてチームの皆から頼りにされていること。この二つを備えていれば、正直サインなんてどうでもよい。仲間があるべきように守ってくれる。
キャッチャーのリードは難しいといわれているが、それはピッチャーVSバッターの分析にのみに終始しているからではないだろうか。(個人的にはそれが一番カンタンだが……)もっと味方に目を向けるべきだ。それこそ、本当のリードと言えるのではないだろうか。