相手の守備位置を操るバスターの使い方

バスター

バスター……そのカッコいい名前の響きと、ちょっとした技っぽい姿に憧れて練習した人も多いのでは?上手くバスターを使いこなせば、相手の守備位置を操ることも不可能ではありません。より安全に、より確実に攻撃するためのバスターとは?今回はそんなお話です。

参考

バスター – Wikipedia

20160605日()豊田自動織機 VS トヨタ自動車




そもそもバスターってなに?

いちおう復習しておきましょう。一言でいうと「バントの構えからのヒッティング」なのですが、ちょっとだけ長ったらしい言い方をすれば「たぶんバントするんだろうけど、もしかしたら打つかもしれない」もしくは「たぶん打つんだろうけど、もしかしたらバントするかもしれない」打ち方をいいます。

より本質を突けば、守備側に適切な守備位置・守備体勢をとらせない攻撃方法ともいえます。

適切な守備位置とは

まずは図を見てみましょう。

後退守備

後ろにさがって守備をすると、左右のボールの対応に強くなりますが、前のボールの対応に弱くなります。強打者のヒッティングの場合に適切な守備位置といえるでしょう。

前進守備

前に出て守備をすると、前のボールには強くなりますが、左右のボールには弱くなります。バントの場合に適切な守備位置といえるでしょう。

実際のプレーでは極端な後退・前進はなく、一歩・半歩で前進・後退が分かれるくらい守備位置はシビアでタイトなものです。

バスターは『バントしそうで打つ』『打ちそうでバント』と守備側が適切な守備位置をとりにくくするすることにより、その一歩・半歩を稼ぎ、攻撃を安全安心にする高等技術です。

実際のプレーを見てみよう

まずは、比較として単純にバントをする場合

バスター01

映像では00:34:30~00:35:40あたりになります。左打者なので、サードは前に出やすいといっても、このバントでアウトになるのはつらい。せめてあと半歩でも稼げていれば…

バスターを取り入れたバント

バスター02

映像では01:10:30~01:11:20あたりになります。

バスター04

サードはバントと思ってチャージ(強烈な前進)してきましたが、ヒッティングに切り替えたのを見て止まりました。判定はストライク。

バスター03

ピッチャーに『バントがくる』と伝えています。十中八九バントに違いないと予想しています。ボールカウント的にもココだったのですが、結果ボールで1ボール1ストライクとなりました。

バスター05

攻撃側としては、ここらで決めておきたい。守備側としてはこれ以上カウントは悪くしたくない。

サードが一歩さがりました。プレッシャーを与えてバントを失敗させるよりも、バントはさせてチャージで仕留める作戦に切り替えました。熱い攻防の中に光る知的なプレーです。

攻撃側としては守備位置を動かすことに成功し、転がす場所も良かったためバントを成功させることができました。ほんの1分のプレーですが、素晴らしい攻防です。バスターは試合を濃密にする隠し味のようなものだと感じます。







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