武術に学ぶピッチャーの間合いの取り方

間合い

スピードがもっと欲しい!キレがもっと欲しい!!ピッチャーでこれらを願わない人はいないでしょう。より速く、強い球を投げることこそ我が務めと日々練習に励んでいるピッチャーの方々、素晴らしいですね!

今回は、武術から間合いの取り方を学んでみましょう。速球やキレを手に入れるには長い修練が必要ですが、これならば明日からでもレベルアップした投球ができるかもしれません。




認識できない動きを間合いに活かす

人はこれまで生きてきた知識や経験によって物事を認識する。人の動きであれば、予備動作などを記憶しているデータと照合して、次の状況を予測する。逆に言えば、データにない動作をすれば、相手を攪乱させられる。

甲野善紀『驚異のカラダ革命』より要旨を抜粋

ちょっと難しいかもしれないので、具体例を見てみましょう。

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【プロ野球パ】栗山、長~い間合いにイライラ… 2015/07/08 L-Bs

題名の通り、バッターの栗山選手がピッチャーの長い間合いに耐えられずイライラしている映像ですが、解説者の言葉が分かりやすいです。

バッターはセットに入ったピッチャーが、イチ・ニ・サン以内に投げてくるというのが頭の中にしみこんでいるので、それ以上(間合いが)長くなると息が苦しくなるんですよね。

セットの後イチ・ニ・サンの間合いという予備動作があって、投球という行動を予測する。これが頭の中にしみこんでいるわけです。この時、セットの後の間合いがイチ・ニ・サン・ヨン・ゴ……と体験したこともないような(データにない)動きをされてしまったので、栗山選手はイライラ(攪乱)してしまいました。

さすがに映像のセットは長すぎるように感じますが、サンとヨンの間くらいならばちょっとした間合いの変化になるかもしれません。体験上、もう少し具体的に言うならば、ヨンまで行くとダメだと感じます。まだ、ヨンくらいなら体験している可能性が大きく、データもそれなりにあるので対応できる感じがあります。

ミソなのは、イチ・ニ・サン・ヨンという区切りのよい間合いにハマらないことだと思います。3.2でも3.7でもいい。そこでくるんかい!と思わせる間合い。これが大切だと思います。

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