『グラップラー刃牙シリーズ』の第四部『刃牙道6巻』のあるシーンにクギヅケになってしまった。はっきりいえば「ぎょっ!!」っとしました。
宮本武蔵が超スピードで刀を振るうところなのですが、その身体の使い方がトンデモナイと感じました。ソフトボールや野球を経験したことがあるならば、皆さんも同じく「ぎょっ!!」っとするでしょう。
では、そのシーンをどうぞ。
「ぎょっ!!」っとしましたか??この絵に超スピードスイングの全てがあるように感じました。それをお話しする前に、この刀の振り(スイング)に入る前の状態から見てみましょう。それから、一つずつ身体の動かし方をみていきましょう。
まず、刀を抜いて上から切り下ろします。この時、おそらくは右足が前に出ているハズです。
刀を勢いのまま下から左上に流し、左足を前に出します。絵を見ながら、一緒に身体を動かすとわかりますが、この時、腰にねじれができますね。
そして、例のシーンへ。
腰のねじれが、自然と元の状態に戻ろうとするので①のように腰がキレます。そして②のように、右足は少し引きます。左足は大地を踏みしめます。①と②の微妙な時間の差が右足の流れ方に描かれていますね。そして最後に③のように上体がまわります。①②③まで、目で見る限りは同時に動くのですが、力の伝わり方を時間軸で描くと、こう表現されるのですね。
武蔵が刀の振りについて語るシーンがあります。
武蔵は「腰」と一言でまとめていますが、これこそ、「言葉ではよく聞くものの、実際には難しい」最たるものではないでしょうか。武蔵自身も、一朝一夕に「腰」にたどり着いたのではないと感じます。毎日毎日、「振るとは何か」という極めて単純、単純すぎて普通は考えもしないようなことを自問し、試行錯誤し続けて、たどり着いたものなのだと感じます。この「自分で身体を動かして発見した」感覚は野球においても大切なのではないでしょうか。
と、ここまでお話して考えるのです。「剣術と野球って、足の動かし方が逆なんだな」と。そして思うのです。今まで何も考えず、右打ちだから、左足を前に出してスイングしてきましたが、根本的に間違っていたのではないかと。
試しに、右足を前に出してスイングしてみました。スイングすると、身体の方向は変な向きになるし、少し腰の稼動域も少ないように感じますが、腰にはちゃんとタメができています。イメージとしては軽打で叩く感じでしょうか。ソフトボールでいうところのスラップ打法そのものです。
スラップ打法の参考動画です。
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=oOSUIBtyhIE”]
もう一つ、参考に。
[su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=yz79AfgMyGk”]
まとめ
ソフトボールをしている人はソフトボールから学ぶのが一番なのですが、たまに違う視点から見てみると、考えもしない発見があって面白いですね。
おまけです。
何気なく刀を納めるシーンですが、腰の稼動域の広さとねばりが感じられます。チラリと見える分厚い胸筋には体幹の強さが見えるようです。ちょうど右バッターのフォロースイング(打った瞬間ホームランとわかり、力が自然に抜けた状態の)を見ているようです。
スイング前の手の脱力感も参考になります。小指がいい感じですね。スイング時にはしっかり握りしめます。野球用語では手首を締めるとか言いますね。
最後になりましたが、板垣先生、刃牙シリーズ、いつもワクワクして読んでいます!
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