宮本武蔵に学ぶリズムを利用するピッチング

なんかこのピッチャー打ちにくい。なんかこのバッターによく打たれる。試合をしていて感じることがあります。実力差が結構あるのに結果が良い・悪いというのは、もしかしたらリズムにあるのかもしれません。

今回は宮本武蔵の『五輪書』からリズムについて考えてみましょう。

参考資料

投手と打者の『立ち合い』巧くいかなかったときの審判の対応

『五輪書』 大河内昭爾 教育社




五輪書におけるリズムの扱い方

書全体を見ても、結構な数で拍子という言葉を使っています。意味としてはリズム・タイミング的な意味から機会、チャンス的なところまで広いですが、ずばり拍子(リズム)について述べているところがあるので見てみましょう。

何ごとにも、拍子(リズム)というものがあるが、とりわけ「兵法の拍子」は、鍛錬なしには身につけることができないものである。…中略…

兵法の拍子にもいろいろある。まず、合う拍子を知って、違う拍子(合わない拍子。相手の呼吸を外す拍子のこと。)をわきまえ、大小、遅速の拍子のなかでも、適した拍子を知り、間の拍子を知り、背く拍子(相手の拍子に乗らないで、逆に相手の拍子にさからう拍子のこと。)を知るのが、兵法では大切である。

ピッチャーとバッターの対戦というのは意外と正々堂々としています。バッターが構えるまでは、投球しないですし、ピッチャーがなかなか投げなければ、バッターはタイムで呼吸を整えます。あまり考えることはないですが、阿吽の呼吸で対戦しているのですね。

このあまり考えることがないというのが曲者です。考えないので、気にしない。気にしないから打たれる原因がわからない。もしかしたら、拍子を意識するだけでレベルアップできるかもしれません。

間の取り方の良例

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馬原投手の長い間にフェルナンデス選手が耐えられなくなった例ですね。馬原投手の素晴らしかった点は二つ。一つはランナーがいるのに長い間を持ったこと。もう一つはタイムがかかったのに動揺せず渾身のストレートを投げ込んだこと。両方とも高い集中力と精神力を必要とします。

理想を言えば、タイムがかかる前がベスト。バッターが「まだ投げへんのかい!」の「ま…」くらいのタイミングで投げ込むのが最良でしょう。

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