走塁専門職アンタッチャブルその8

前回の続き

走力は当然、足から身体へとつながる。

膝はその中継点。ここを狙うことで、身体操作の正確さとスピードを削ろうとしたのだ。

99「んっ!!!!!」

左に軌道修正したものの、接地の時間が十分に取れず、スピードはのっていなかった。

ひとまず『遠距離戦』は終了した。

これから『接近戦』だ。

キャッチャーの腕が届く範囲を『接近戦』といった。

そして、『接近戦』用の技術も進化していた。

『薙(ナギ)』遠くから直線的なタッチをする『突』とは逆に、近距離で円形の範囲にタッチする技術が『薙』だ。

要するに、腕をぶん回すだけなのだが、そのスピードと範囲は尋常ではない。

このキャッチャーは、範囲150°と、それほど広いものではないが、スピードは超一級だった。

キャッチャー「まさか俺に『突』と『薙』の両方を使わせるとはな。ちょっとルーキーだと甘くみていたか…」

『薙』に対するランナーの選択肢は二つ。

回り込むか、避けるか、だ。

走塁専門職アンタッチャブルその9







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