孫子に学ぶソフトボール

孫カントク

孫子…古くはガチの戦争をする将軍から、現代においてもサラリーマン処世術のバイブルとして愛されている、戦い方を記した書物である。

今回は孫子をソフトボール流に解釈してみました。いつもどおりトンデモ訳なので、エンターテイメントとしてお楽しみください♪それでは孫カントクお願いします。




第一 計篇

試合する前に考えとくこと

当たり前やけど、トーナメント戦で負けたらオシマイやで。敗者復活なんて気の利いたもんなんてないから、戦う前にこの5つのことを頭に入れときや。

チーム全員がホンマに勝ちたいと思ってるのか?

選手個々人に合った練習ができてるんか?

親御さん、地域の理解や応援はあるんか?

チームリーダーはちゃんとしとるんか?

さぼっとるヤツを試合に出してないか?

最低、この5つは頭に入れとかんと試合以前の問題やで。まぁ、ここがホンマ難しいんやけどな。

兵者詭道也

試合はだましあいとごまかしあい

強い肩があるのに、本番まで見せず弱いフリをする

下位打線に強打者をもってきて一撃くらわせる

盗塁しそうで、しない

盗塁しなさそうで、する

バントシフトで、セカンドで仕留める

エラーに乗じて、できるだけランナーをためる

連打されたら、一呼吸

ホームランなら、二呼吸

足と小技をからめて、相手を安心させない。これがコツや。まぁ、難しいんやけどね。

第二 作戦篇

ガツンといけよ

慎重すぎるキャッチャーのリードで自滅するくらいなら、さっさと打たれたほうが球数が少なくていいんちゃうの?

兵聞拙速

さっさとやって帰ろうや?

二試合目もあるんやぞ?明日は学校やし、来週からはテストやぞ?へとへとに疲れて遅刻、赤点なんて目も当てられへんわ!ソフトボールも学業もバランス良く。これでこそ真のソフトボーラーというもんやで。…だから、キャッチャー、余計なリードすんなって!!

第三 謀攻篇

百戦百勝

勝つのは当たり前、勝った中にも反省点を見つけて、より高みを目指す。もうこのチームには勝てん…と思わせたら完璧やね!

相手の作戦を読む

一番ええのは、相手のサインがわかることやね。対処が簡単やからね。次にええのは、いつも通りの試合運びをさせへんことやね。単調に攻めないようにしよ。一番あかんのは、なんも考えへんガチンコ勝負。せっかく出てくれたランナーを、練習でもやったことないのに、エンドランしてみて失敗とか。こんなんアホとしか言われへんわ。

相手の力量をみる

圧倒的にウチの方が強いんやったら、新しい選手や、期待してる選手を試してみる。実戦でしかわからんこともあるし。まぁ、ウチの方が強いなって場合は、油断せず小技もからめて攻めていこう。こりゃ勝てへんわ…って場合は、負けた時に選手が落ちこまないよう、反省点を活かせるような試合運びするのがええで。まぁ、そもそも、選手が落ちこむくらいボロ負けするような相手と試合を組む方もどうかしとるのやけれども。

第四 形篇

攻守のバランスについて

覚えとってな。打ち勝つんじゃないねん。守り勝つやねん。エラーばっかしとったら、なんぼ点数とっても追いつかんわ。エラー、フォアボール、しょうもない凡ミスに気をつけてみ。めっちゃチームが強くなるで。まぁ、3対1とか、4対2とか地味な勝ち方かもしれんけどね。

第五 勢篇

チーム一丸とは

部員が100人おるようなチームでも、さも9人で動いているような一体感のあるチームは強いね。これは、日頃から挨拶や声出し、ミーティングがマメにできてる証拠やね。誰が試合に出てもプレー内容、作戦を把握してる。選手層の厚いチームや。

第六 虚実篇

相手の守備を崩すコツ

相手がわざわざ前進守備してるのにバントをすることはないし、後ろの方に下がってるのに、ヒッティングすることもない。相手の守備位置をみて、どこが穴なのかを考えなあかんね。相手のいやがる攻撃をするのが基本やね。

チームによって出塁、盗塁、スクイズみたいに得意な攻撃パターンがあると思う。それは大変素晴らしいことやと思うで。でも、もっと上を目指すんなら、得意なことをなくしてみるってのも手やで。一番ええのは、どんな手を使ってくるかわからんようにすることやね。これは相手するのいややわ。

第七 軍争篇

風林火山

誰が試合に出ても同じ作戦ができるのは大切

盗塁、セーフティ、エンドラン!

四球、振り逃げ、デッドボール!

イッパツ狙いにスラップ打法!

送りバントにスクイズや!

みんながプレーを把握しとったら、ありとあらゆる作戦がとれるで。カントクとしてはありがたいことやな。

第八 九変篇

やったらアカン9つのこと、5つの結果

マウンドの穴ぼこをそのままにしたらあかん

バッターボックスの穴を綿密に埋めるやつは軽々しく相手したらあかん

粘るバッターにこだわりすぎたらあかん

スリーボールから安易にストライクをとりにいったらあかん

審判にでかい声で挨拶するヤツをナメたらあかん

追い込まれたら釣り球に気をつけなあかん

リードがワンパターンになったらあかん

相手の苦手な球種、コースを覚えとかなあかん

ボロ勝ちした時こそ考えなあかん

打とう打とうと焦ると打ち取られる

走ろう走ろうと焦ると刺される

焦ってばかりだとドツボにはまる

ワンパターンになるとカモにされる

なかよしこよしをチームワークと勘違いすると負ける

第九 行軍篇

14の行動と証拠

ネクストサークルでの鋭い目線は、シミュレーションしてる証拠や

一番バッターが早打ちなのは、短期決着をつけたい証拠や

セオリー通りバントしてこないのは、一点以上欲しい証拠や

ベンチに人が居ないのは、強力な代打や控えが出てくる証拠や

ベンチの声が小さいのは、出鼻を挫いた証拠や

ベンチの声が大きいのは、追い詰めた証拠や

マネージャーがうろうろしてるのは、カントクが苛立ってる証拠や

カントクが怒ってるのは、匙を投げかけてる証拠や

昼ごはんを食べてるのは、居残り練習がある証拠や

カントクが馴れ馴れしく話しかけてくるのは、采配ミスがあった証拠や

カントクが奢ってくれるのは、大ポカをした証拠や

カントクが理不尽な練習メニューを課すときは、プライベートに問題がある証拠や

カントクの練習メニューがむちゃくちゃなのは、アホな証拠や

ウチのカントクが相手の監督に挨拶にいくのは、だいたい負ける証拠や

第十 地形篇

カントクがやってはいけない6つのこと

カントクがバカみたいに強いチームと試合を組むと、選手はやる気がなくなるで

カントクが頼りないと、選手は甘く見るで

カントクが恐過ぎると、選手は退部するで

カントクが選手の特徴を見誤ると、選手は鈍化するで

カントクが練習計画を持たないと、選手はケガするで

カントクができもしないプレーを要求すると、選手はいじけるで

カントクの不手際に比べたら、選手のエラーなんてかわいいもんや。

第十一 九地篇

呉越同舟

選手の質問と監督の答え

選手A「めっちゃ強いチームと戦うにはどうしたらええですか?」

監督「出鼻を挫いて、3回までに決着をつけることや。やからウォーミングアップも身体を慣らす程度やなくて、3回までに力を使い果たすくらいにしとかなあかん。3回までに流れを持ってくることができたら、ええ勝負できるで」

選手B「ちょっとチームでケンカがあったんやけれども…」

監督「かまわんかまわん。今週、強いチームと試合組んだるわ。みんな協力せえへんと勝てへんから、仲良くするやろ。試合の後、近所の銭湯でもいけや(一万円)」

第十二 火攻篇

高度なプレーを使うには

高度なプレーを成功させるには、まずは練習をいっぱいせなあかんね。次にそのプレーを適切なときに使うことやね。

たとえば、ランナーを二塁において、セーフティーバントをするとみせかけてサードの前進を誘い、そのスキに盗塁を狙うプレーをするとしようや。まずは、焦らず一球様子を見るのも手やね。このとき、サードやショートの動き方を見て、できると思ったらやったらええ。

たとえば、エンドランを得意とする相手にエンドランを安易に使うのは考えものやな。というのは、自分がやるということは当然やられる方の練習もしとると考えた方がええ。

監督は思いつきで高度なプレーを使ったらあかん。まずは、できるように練習する。それから実際の試合で様子を見て、できると思ったらする。できないと思ったら、絶対にしたらあかん

第十三 用間篇

ランナーコーチやスコアラーの扱い方

視点の鋭いヤツは貴重やな。それだけでもベンチに入れる価値があるわ。相手監督のサインワーク、ネクストサークルでのバッターの様子、試合前のノックの様子、打席に入る前の様子、相手チームのベンチワーク、ブルペンの様子、ベンチの中、気になるところを見てもらって、意見をもらうのはタメになるで。

気をつけたいのは、そいつがそのためだけにベンチに居るときや。本人は代打でも出たいのかもしれん。代走でも、なんでもグラウンドに立ちたいのかもしれん。そういうことに気配りができひんと、その子がダメになってまうで。

さいごに

めずらしく長々と書いてしまいましたが、実はかなり省略してます(トンデモ訳なのはいうまでもありません)。実際の孫子を見たい方は、下記リンクを使ってみてください。やさしい言葉で書かれてあるので頭に入りやすいと思います。

参考にしたサイト

風林火山・孫子の兵法

孫子現代語訳

学んでみたシリーズ

宮本武蔵に学ぶ超スピードスイング術

古田、谷繁に学ぶキャッチング術

古田さんに学ぶスイング理論「バットの軌道」

キャッチャーの捕球~古田選手に学ぶ~

見て学ぶキャッチャーフライの捕り方







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